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峠三四郎(とうげさんしろう)

AMATAです。

昨日はグラフィックを担当させていただいている、
『ダイニングなごみ』様の新店OPENレセプションで京都へ。

食後にタクシーを拾い、
車中でAMATAスタッフと京都タワーの話をしていると、
定年を間近に控えたドライバーがケータイを取り出し、
待ち受け画面になっている『京都タワー』の写真を見せてくれた。

写真のタワーは正面から撮られた退屈な構図ではなく、
僅かに角度を付けることでダイナミックな雰囲気を醸し出している。

見終わるかどうかの間に、
自分が元プロカメラマンだという事も教えてくれた。
聞いた訳でもないのに。

『なるほど。』

と、納得する時間は僕らに与えてもらえず、
それに気を良くした還暦ドライバーが次に見せてくれたのは、
すべてのドライバーが携帯しているであろう、
いつも『あれに何書いてるんだろう?』と思わせる例のクリップボード。

『???』

クリップボードには明らかに仕事で使う書類が挟んであり、
むしろ僕らに見せてはいけないんじゃないか、という気さえする。

柔軟に事態を捉え、
ケータイ写真とはいえ元プロカメラマンの作品を見たんだから、
ギャラリーのように芳名でも書けと言うことかと思ったらそうではない。

書類のウラ面には、
ちばあきおの代表的野球漫画『キャプテン』の模写がびっしり。
サラッと描かれている割に相当上手い。描き慣れている。

『ちば先生に嘆願して、続編が描きたいんです。』

元々小さな僕の目が、
さらに豆鉄砲を喰らったサイズに。

今になってあの名作野球漫画の続編を描こうなんて、
この人はどうかしている。
そもそも、ちばあきお氏は既に他界している。

『どうかしている』点を他に挙げればキリがないが、
静かに言い放たれた言葉からは冗談の『じょ』の字も感じられない。
このドライバーは本気だ。

スケッチを見続けていくうちに、
『キャプテン2』のタイトルロゴがすでに完成している事も確認できた。
やはりこのドライバーは本気だ。

ペンネームは『峠三四郎』。
姿三四郎でもなければ、トーベ・ヤンソンでもない。

ネームプレートを確認した所、
名字は本名だったが、名前はオリジナル。
道場破りのような破天荒な感じがピッタリだと思った。

自分の年齢に抗い、
セカンドライフで『ちばあきお』と絡もうとは、
何というチャレンジャー精神。

いつか、
この名が日本中に広まる時が来ることを祈ろう。

タクシーに乗っていた時間は5分にも満たない。
老獪なプレゼンテーション能力を見せつけられた日。

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いただいたコメント

ちばさんに憧れる元カメラマンのドライバーさん…なんだか
器用貧乏さが滲みますね…すばらしい度胸はすでに
お持ちの様なので残るは夢への持久力と
仕事に対する集中力でしょうか

投稿者:agnes 2009年06月29日 22:13

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